ノートPCの動作が重くなり、「メモリを増設すれば改善するのでは?」と考えている方もいるでしょう。
メモリ不足が原因で動作が重くなっている場合、メモリ増設によって複数のアプリやブラウザタブを同時に使いやすくなる可能性があります。
ただし、すべてのノートPCでメモリを増設できるわけではありません。
最近の薄型ノートPCには、メモリが基板に直接取り付けられた「オンボードメモリ」を採用し、購入後に増設できない機種もあります。
そのため、いきなりメモリを購入するのではなく、まず自分のノートPCがメモリ増設に対応しているかを確認することが重要です。
この記事では、ノートPCを中心に、メモリ増設前の確認方法、対応メモリの調べ方、増設手順、増設後に認識されない場合の対処まで順番に解説します。
ノートPCのメモリは増設できる?最初に確認すること
メモリ増設を考えたら、最初に確認したいのは「自分のPCにメモリを追加・交換できるか」です。
ノートPCのメモリ構成には、大きく分けて次のようなタイプがあります。
- メモリスロットがあり、メモリを追加できる
- メモリスロットはあるが空きがなく、既存メモリとの交換が必要
- オンボードメモリ+メモリスロットの構成
- すべてオンボードメモリで増設できない
見た目だけでは判断できないため、PCメーカーの製品仕様や取扱説明書、サポートページで確認しましょう。
「メモリ容量が少ない=あとから増設できる」とは限りません。
特に薄型・軽量ノートPCではオンボードメモリを採用している場合があるため、底面カバーを開ける前に仕様を確認してください。
メーカーの仕様表で確認する
PCの正確な型番を確認し、メーカー公式サイトで次の項目を探します。
- 搭載メモリ容量
- 最大メモリ容量
- メモリ規格
- メモリスロット数
- 空きスロットの有無
- オンボードメモリの有無
同じシリーズ名でも、モデルや構成によってメモリ仕様が異なる場合があります。必ず自分が使っているPCの正確な型番で確認しましょう。
メモリ増設前に確認する5つのポイント
メモリを購入する前に、少なくとも次の5点を確認します。
- メモリを増設・交換できるか
- DDR4・DDR5などのメモリ規格
- SO-DIMMなど対応するメモリ形状
- メモリスロット数と空き状況
- PCが対応する最大メモリ容量
1.メモリを増設・交換できるか
最も重要な確認項目です。
メモリスロットがあれば増設または交換できる可能性がありますが、オンボードメモリのみの機種では基本的にユーザーによる増設はできません。
「8GB搭載だから16GBに増やせるだろう」と考えて先にメモリを購入しないようにしましょう。
2.DDR4・DDR5などの規格
メモリにはDDR4、DDR5などの規格があります。
DDR4とDDR5には互換性がないため、PCが対応している規格に合わせる必要があります。
世代だけでなく、メーカーが示している対応仕様を確認して選ぶのが確実です。
3.ノートPCではSO-DIMMが使われることが多い
交換可能な一般的なノートPCでは、SO-DIMMと呼ばれる小型のメモリモジュールが使われることがあります。
デスクトップPCで一般的なDIMMとは形状が異なるため、購入時には注意してください。
ただし、ノートPCだから必ずSO-DIMMを交換できるわけではありません。オンボードメモリのみの機種もあります。
4.スロット数と空きスロットを確認する
メモリスロットが2つあるPCでも、現在1つだけ使っているのか、すでに2つとも使っているのかで増設方法が変わります。
たとえば8GBから16GBにしたい場合でも、現在の構成が「8GB×1枚」なのか「4GB×2枚」なのかによって購入するメモリは変わります。
オンボード8GB+空きSO-DIMMスロットという構成もあります。
5.最大メモリ容量を確認する
PCにはメーカーが示している最大メモリ容量があります。
大容量のメモリを購入しても、PC側がその構成に対応していなければ、想定どおり使用できない可能性があります。
「スロットに挿せるか」だけではなく、メーカーが公表している最大容量や対応構成まで確認してください。
メモリを増設するとパソコンは速くなる?
メモリ増設で効果を感じやすいのは、現在のメモリ容量が実際の使い方に対して不足している場合です。
たとえば次のような使い方では、メモリ不足が起きやすくなります。
- ブラウザのタブを多数開
- Zoomなどのオンライン会議と資料作成を同時に行う
- 複数のアプリを同時に使う
- 大きな画像を編集する
- 動画編集を行う
- 開発ツールや仮想環境などを使用する
このような状況でメモリが不足しているなら、増設によって動作が安定したり、複数作業を行いやすくなったりする可能性があります。
一方で、PCが遅い原因がCPU、ストレージ、発熱、常駐ソフトなどにある場合、メモリだけ増設しても大きな改善を感じられないことがあります。
「パソコンが遅い=メモリを増やせば必ず速くなる」ではありません。
PCが遅くなる原因については、ノートPCが遅いときの原因と対処法も参考にしてください。
現在のメモリ容量をWindowsで確認する方法
Windowsでは、タスクマネージャーから現在のメモリ容量や使用状況を確認できます。
- タスクマネージャーを開く
- 「パフォーマンス」を選択
- 「メモリ」を選択
ここで搭載メモリ容量や使用状況を確認します。
普段使っているアプリを開いた状態で確認すると、現在の使い方でどの程度メモリを使用しているか判断する材料になります。
なお、「自分の用途では8GB・16GB・32GBのどれが必要なのか」を知りたい場合は、ノートPCのメモリは何GB必要?8GB・16GB・32GBの違いと選び方で詳しく解説しています。
ノートPCのメモリ増設手順
ここからは一般的なノートPCのメモリ増設手順を説明します。
実際の分解方法やメモリの取り付け方法は機種によって異なります。必ず使用しているPCメーカーのマニュアルや保守資料を優先してください。
1.PCをシャットダウンする
作業前にWindowsを正常に終了し、PCを完全にシャットダウンします。
ACアダプターやUSB機器など、接続しているケーブル類も取り外します。
2.バッテリーと静電気に注意する
取り外し可能なバッテリーの場合は、メーカーの手順に従って取り外します。
内蔵バッテリーの場合は分解方法が機種によって異なるため、自己判断で作業せずメーカーのマニュアルを確認してください。
また、PC内部の部品は静電気によって損傷する可能性があります。作業前には静電気対策を行い、メモリの端子部分を直接触らないようにします。
3.底面カバーを開ける
メーカーがユーザーによるメモリ交換を想定している機種では、底面カバーなどを取り外してメモリスロットへアクセスします。
ネジの位置やカバーの外し方は機種ごとに異なります。無理にこじ開けるとツメやケースを破損する可能性があるため注意してください。
4.メモリを取り付ける
SO-DIMMの場合は、メモリとスロットの切り欠きの位置を確認して取り付けます。
取り付け方法や角度は機種によって異なるため、メーカーの手順に従って確実に固定します。
メモリの金属端子部分にはできるだけ触れないようにしてください。
5.カバーを戻して起動する
メモリが確実に固定されていることを確認したら、取り外したカバーやバッテリーなどを元に戻します。
その後PCを起動します。
メモリ増設後に確認すること
PCが正常に起動したからといって、作業完了とは限りません。
Windowsを起動したら、タスクマネージャーなどで増設後のメモリ容量が正しく認識されているか確認してください。
たとえば8GBから16GBへ増設したのであれば、システム上でも想定した容量が認識されていることを確認します。
増設したメモリが認識されない場合
増設後にPCが起動しない、メモリ容量が増えていないなどの問題が起きた場合は、無理に使用を続けないようにします。
主に次の点を確認します。
- メモリがスロットに正しく装着されているか
- 対応するメモリ規格か
- PCが対応する容量を超えていないか
- 既存メモリとの組み合わせに問題がないか
- 元のメモリに戻すと正常に起動するか
メモリを挿し直す場合は、再びPCの電源を完全に切り、安全な状態にしてから作業します。
原因が判断できない場合は、それ以上分解せずメーカーや修理業者へ相談する方が安全です。
違う容量・速度・メーカーのメモリを混ぜてもいい?
メモリは「必ず同じメーカー・同じ容量でなければ動かない」というわけではありません。
ただし、異なる規格のメモリを自由に組み合わせられるわけでもありません。
PCが対応するメモリ規格・容量・速度・構成を確認することが重要です。
また、複数枚のメモリを使用する場合、構成によってメモリチャネルの動作や性能が変わることがあります。
そのため、確実性を優先するなら、メーカーが示す対応構成や、メモリメーカーが確認している互換情報を基準に選ぶのがおすすめです。
「4GBが入っているから必ず4GBを追加しなければならない」といった一律の判断はせず、PCごとの仕様を確認してください。
メモリ増設を自分で行わない方がよいケース
次のような場合は、自分で分解せずメーカーや専門業者への依頼を検討しましょう。
- メーカーがユーザーによるメモリ交換を想定していない
- オンボードメモリのみで増設できない
- 底面カバーを安全に取り外せない
- 対応メモリを特定できない
- 分解による保証への影響が心配
- 精密機器の分解作業に不安がある
無理に作業してPC本体を破損してしまっては、メモリ増設によるメリット以上の損失になる可能性があります。
メモリ増設と買い替えはどちらがよい?
メモリ不足だけが問題で、PC自体の性能に大きな不満がなく、増設可能な機種であれば、メモリ増設によって使いやすくなる可能性があります。
一方で、次のような場合はメモリだけでなくPC自体の買い替えも検討した方がよいでしょう。
- CPU性能も不足している
- ストレージ容量や速度にも不満がある
- バッテリーが大きく劣化している
- 故障や不具合が増えている
- 必要なOSやソフトウェアへの対応が難しい
- メモリがオンボードで増設できない
「遅いからとりあえずメモリを増やす」のではなく、現在のPCの状態を確認してから増設か買い替えかを判断することが大切です。
まとめ|メモリを買う前に増設できるPCか確認しよう
ノートPCのメモリ増設で最初に確認したいのは、そのPCがメモリ増設に対応しているかです。
メモリスロットがあっても、空きスロットがない場合があります。また、オンボードメモリのみで購入後に増設できないノートPCもあります。
メモリを購入する前に、PCの正確な型番からメーカーの仕様を確認し、メモリ規格、スロット数、空き状況、最大容量を調べましょう。
増設できることを確認したうえで、PCに対応するメモリを選び、メーカーの手順に従って安全に作業することが重要です。
また、メモリ増設はメモリ不足が原因の場合には有効ですが、PCが遅い原因が別にある場合は改善しないこともあります。
これから新しいノートPCを購入するために必要なメモリ容量を調べている方は、ノートPCのメモリは何GB必要?8GB・16GB・32GBの違いと選び方も参考にしてください。

